スピルリナって何?

スピルリナは世界中で「有効な食料資源」と考えられているスーパーフードの1つです。実はメキシコやアフリカでは、何千年も前からスピルリナは常食されていました。

 

スピルリナは海水の5倍以上の塩分を含んだ「塩湖」に自生している藻の一種です。その歴史は古く、数十億年前から地球に存在していた原核生物です。顕微鏡でみるとわかりますが、一つ一つがらせん状の形をしているため、ラテン語のらせんを意味する「スピルリナ」という名前で呼ばれるようになりました。

 

スピルリナが世界で注目されたのは今から半世紀ほど前の1969年。第七回国際石油会議(メキシコ)でフランス国立石油研究所のグループがスピルリナの研究発表を行ったことに始まります。その後、フランス国立石油研究所は大規模なプロジェクトを立ち上げ、IFP方式と呼ばれる培養方式によって大量培養を実現しました。その後、1974年の国連世界食糧会議では、未来をになう食料資源として話題に上がり、再びスピルリナは脚光を浴びます。

 

スピルリナはその栄養価の高さから今では世界中で注目されており、スーパーフードとして人気を集めています。海外ではセレブなどが健康維持のためにこぞってスピルリナを摂取しているほか、日本でも少しずつ認知度があがっており、サプリメントなどがよく売れています。

 

スピルリナの効果を成分からひも解く

 

スピルリナの効果を把握するために、まずスピルリナにどんな成分が入っているのかを知ることから始めましょう。

 

スピルリナに含まれる栄養成分の中で、特に含有量の多いものをピックアップしました。

 

成分名 100gあたりの含有量 1日分の摂取量 1日に必要な量
食物繊維 10g 0.3g 1.7g
βカロテン 50mg 1.6mg 2mg
ビタミンE 35mg 1.2mg 6.5mg
ビタミンK 1000μg 30μg 70μg
ビタミンB2 6mg 0.2mg 1.3mg
ビタミンB6 0.9mg 0.03mg 1.2mg
ビタミンB12 30μg 1μg 2.4μg
葉酸 250μg 8μg 400μg
パントテン酸 1.4mg 0.05mg 6mg
カルシウム 900mg 30mg 600mg
110mg 4mg 20mg
ガンマ・リノレン酸 1,800mg 60mg 150mg
クロロフィルa 2,000mg 70mg 100mg
フィコシアニン 7000mg 200mg 1000mg

 

 

 

↑が含有量の多いスピルリナの栄養素一覧となります。とくに色つきの部分は要注目で、1日に必要な栄養素量の20%~80%をスピルリナ一日分でまかなうことができます。

 

食物繊維

 

成分名 スピルリナ1日分 1日に必要な食物繊維
食物繊維 0.3g 1.7g

スピルリナ1日分で、1日に必要な食物繊維のおよそ20%が摂取できる

 

日本人が不足しがちな栄養素の代表が食物繊維です。とくに野菜に多く含まれている栄養素で、日本人の野菜不足が叫ばれるなか、最も足りていない栄養素となっているのです。

 

食物繊維の効果

 

食物繊維には、

 

  1. 便のかさまし
  2. 高血圧予防
  3. コレステロール減少
  4. 満腹感のアップ

 

の効果があります。特に重要なのが「便のかさまし」の部分で、食物繊維が不足すると便秘しがちになります。また、便秘することによって腸内環境が悪化し、さまざまな健康悪化の原因となるのです。

 

スピルリナを食べて得られる食物繊維は0.3gとそれほど多くはありませんが、毎日スピルリナの摂取を続けることで、日々の食物繊維の必要量を20%まかなうことができるため、便秘を解消し、ひいては動脈硬化や高血圧、糖尿病といった成人病のリスクを軽減させる効果があるのです。

 

βカロテン

 

成分名 スピルリナ1日分 1日に必要なβカロテン
βカロテン 1.6mg 2mg

スピルリナ1日分で、1日に必要なβカロテンのおよそ80%が摂取できる

 

食物繊維と同じく、野菜不足の日本人にとって足りなくなりがちな栄養素がβカロテンです。特に子どものβカロテン不足が問題。色の鮮やかな野菜に含まれるため、にんじんやパセリ、ほうれん草といった野菜に好き嫌いがある子供はβカロテン不足が深刻になっています。

 

βカロテンの効果

 

βカロテンの効果には、

 

  1. 成長促進効果
  2. 美肌効果
  3. 粘膜の健康維持

 

といった効果が認められています。中でも重要なのが「成長促進効果」となります。βカロテンは体内でビタミンAとなり、体内に摂りこんださまざまな栄養素の働きを促進する効果があります。とくに丈夫な骨や筋肉の成長に重要な役割を果たすため、βカロテン不足によって背が伸びにくくなったり、知能障害といったリスクが発生するのです。

 

また、βカロテンは美容効果が高いことでも知られており、ビタミンAの作用によって皮膚の新陳代謝が促進され、美肌作用などを発揮するのです。

 

ビタミンK

 

成分名 スピルリナ1日分 1日に必要なビタミンK
ビタミンK 30μg 60μgg

スピルリナ1日分で、1日に必要なビタミンKのおよそ50%が摂取できる

 

ビタミンKの1日あたりの必要量は、体重1kgあたり1μgと言われています。なので、体重60kgなら必要量は60μgと考えてください。一般的な食生活をしていればそれほど不足しやすい栄養素ではありませんが、納豆などに多く含まれる栄養素なので、納豆嫌いの人は不足している可能性もあり、スピルリナが重要な役割を果たします。

 

ビタミンKの効果

 

ビタミンKの効果には、

 

  1. 血液凝固作用
  2. 動脈硬化抑制
  3. 赤ら顔やクマの軽減

 

といった効果が認められています。特に重要なのが血液凝固作用で、乳幼児のビタミンK不足が起こると「突発性乳児ビタミンK欠乏性出血症」という血が止まりにくくなる病気になりやすいです。乳幼児はママの母乳から栄養素を摂取しているわけですから、つまり母親のビタミンK不足が赤ちゃんにつながってしまうということ。なので、納豆などが嫌いで食べていないなら、スピルリナでビタミンKを補充しておくのは意味があります。

 

ビタミンB12

 

成分名 スピルリナ1日分 1日に必要なビタミンB12
ビタミンB12 1μg 2.4μg

スピルリナ1日分で、1日に必要なビタミンB12のおよそ40%が摂取できる

 

とくに魚介類に多く含まれるビタミン類で、スピルリナ以外では牛レバー・鶏レバーも含有量が高いです。それほど不足しがちな栄養素ではありませんが、ベジタリアンだと不足しやすいというデータもあります。

 

ビタミンB12の効果

 

ビタミンB12の効果には、

 

  1. 美肌効果
  2. 睡眠効果
  3. 貧血予防
  4. 肩こり・腰痛予防

 

といったものがあります。特に重要なのが美肌効果で、貧血を予防する効果が肌のツヤなどを促す効果があると言われています。

 

また、ビタミンB12が睡眠・覚醒リズムに深く関わっていることがわかっており、ビタミンB12が不足すると不眠症になりやすいとされています。もし野菜中心の食生活をしていて、動物性たんぱくが不足しているなら、スピルリナを摂ってビタミンB12不足を補うのも手です。

 

鉄分

 

成分名 スピルリナ1日分 1日に必要な鉄分
ビタミンB12 4mg 20mg

スピルリナ1日分で、1日に必要な鉄分のおよそ20%が摂取できる

 

レバーやほうれん草、しじみなどに多く含まれているのが鉄分です。鉄分に関しては特に女性の間で不足が深刻化しており、貧血などのトラブルにつながる例が後を断ちません。理由としては、女性の過剰なダイエットによって食事が減り、鉄分不足が起こっていることが考えられます。

 

鉄分の効果

 

鉄分の効果には、

 

  1. 造血作用・貧血予防
  2. 疲労回復
  3. 活性酸素の除去

 

といったものがあります。先ほども書いたように、鉄分不足は貧血につながりやすいですが、これは鉄分の造血作用が薄れているためです。赤血球のヘモグロビンは鉄分から作られており、鉄分が不足すると血液そのものが減ってしまって貧血へとつながるのです。また、貧血になることにより疲れやすくなることもあります。

 

また、鉄分の「活性酸素の除去」効果にも注目です。活性酸素は本来、体内のウィルスや細菌を退治するために必要ですが、増えすぎてしまうと健康な細胞まで攻撃するという特性があります。そのため、肌のつやが失われるといったトラブルになりますが、鉄分を摂取することで活性酸素を適切な状態に保ち、美容効果を発揮するのです。スピルリナを摂取すると鉄分が補えるほか、ダイエット効果(後で解説)もあるのでダイエットとの両立も可能なのです。

 

ガンマ・リノレン酸

 

成分名 スピルリナ1日分 1日に必要なガンマ・リノレン酸
ガンマ・リノレン酸 60mg 150mg

スピルリナ1日分で、1日に必要なガンマ・リノレン酸のおよそ40%が摂取できる

 

ガンマ・リノレン酸は、「オメガ6系脂肪酸」です。オメガ6系脂肪酸はオメガ3系脂肪酸と並び「不飽和脂肪酸」の一種で、体内で作り出せないことから必須脂肪酸と呼ばれています。

 

オメガ3とオメガ6の比率は「1:4」がよいと言われており、欧米型の食事だとオメガ6が多くなりやすいので、一般的にはオメガ6脂肪酸はあまり必要ないと言われています。しかし、日本人の4人に1人は体内に摂りこんだオメガ6脂肪酸をガンマ・リノレン酸に変換する酵素「デルタ6-デサツラーゼ」が弱いと言われており、体内のオメガ6脂肪酸を増やせないと言われています。

 

そのため、多くの人はオメガ3脂肪酸のアルファ・リノレン酸やEPAやDHAを積極的に摂取すべきですが、場合によってはガンマ・リノレン酸の積極的な摂取が必要となります。基本的には、オメガ3脂肪酸を摂取してもアトピー性皮膚炎が改善しないなどのケースでは、ガンマ・リノレン酸の摂取が必要と言われています。

 

ガンマ・リノレン酸の効果

 

ガンマ・リノレン酸の効果には、

 

  1. PMS予防
  2. アトピー性皮膚炎の軽減

 

といったものがあります。もともと月見草やボラージ草、ブラックカラントなどにしか含まれない珍しい物質なので、スピルリナを飲んで摂取していくのはアリでしょう。

 

クロロフィル

 

成分名 スピルリナ1日分 1日に必要なクロロフィル
クロロフィル 70mg 100mg

スピルリナ1日分で、1日に必要なクロロフィルのおよそ70%が摂取できる

 

クロロフィルは別名「葉緑素」と呼ばれ、植物が光合成をするために必要な成分となります。そのため、野菜不足だと体内のクロロフィルも不足しがちとなります。

 

クロロフィルの効果

 

クロロフィルの効果には、

 

  1. デトックス効果
  2. 殺菌作用
  3. 口臭予防
  4. 美顔効果

 

クロロフィルで特に重要な効果は「デトックス効果」「殺菌作用」となります。デトックス効果としては、体内にたまりやすいアレルギー源の「ヒスタミン」を排出する作用があり、花粉症やアトピーなどのアレルギー性の症状を抑える可能性があります。また、殺菌作用についてはアクネ菌の殺菌によるニキビ予防などができると言われています。

 

他にも、ビタミンCとの相乗効果による美肌効果があることがわかっており、クロロフィルは化粧品などにも含有されています。

 

スピルリナは見てもわかる通り濃い緑色をしているため、クロロフィルが良く含まれており、1日分のスピルリナを摂取するだけで1日に必要なクロロフィルの70%もの量をまかなうことができます。そのため、クロロフィルを目当てにスピルリナを飲むという人もいるほどです。

 

フィコシアニン

 

成分名 スピルリナ1日分 1日に必要なフィコシアニン
フィコシアニン 200mg -

フィコシアニンはスピルリナ特有成分なので、1日の必要摂取量はナシ

 

ほぼスピルリナ特有の成分が「フィコシアニン」です(アサクサノリにわずかに含まれる)。そのため1日の摂取量は決まっていませんし、スピルリナを摂取しない限りはフィコシアニンは摂りこめません。

 

フィコシアニンの効果

 

フィコシアニンの効果には、

 

  1. 抗酸化作用
  2. 免疫力アップ
  3. 炎症予防

 

があります。特に注目はスピルリナの「抗酸化作用」で、活性酸素を除去する作用があるためシミ・そばかすの予防・改善に役だつと言われています。

 

また、デトックス効果も認められており、中性脂肪を低下させる作用があると言われています。お腹周りにつく脂肪のほとんどが中性脂肪と呼ばれており、なかなか落ちにくいのですが、スピルリナにはその中性脂肪の軽減効果があるということで注目されているのです。

 

スピルリナの効果・効能まとめ

スピルリナの効果・効能については、大阪市立大学、国際自然医学会、富山医科薬科大学、国立石油研究所(フランス)など、世界中の医学研究発表がされています。

 

アレルギー抑制作用

スピルリナにはクロロフィル(葉緑素)が豊富に含まれています。

 

クロロフィルにはアレルギーのもとになるヒスタミンをきれいにする効果があることがわかっており、花粉症やアトピー、アレルギー性のニキビなどを抑制する効果が期待できます。

 

便秘の改善

スピルリナは藻の一種なので、食物繊維も豊富に含んでいます。そのため、便秘・便通の改善効果が期待できます。

 

現代はさまざまな栄養が不足しがちですが、特に食物繊維の不足が叫ばれているので、スピルリナはそのサポートになるでしょう。

 

貧血改善効果

スピルリナはクロロフィル(葉緑素)の含有量が多く、なおかつ鉄分も豊富に含んでいるので造血効果・効能が期待できます。

 

鉄分不足での貧血が続いているようなら、毎日スピルリナを飲むことをおすすめします。

 

ダイエット効果・効能

スピルリナは水分を含むと膨らむ性質があり、食前に食べることで摂取カロリーを減らす効果があります。

 

近頃話題のチアシード・キヌアなどと似た性質で、ダイエット効果も注目されている点の1つです。

 

また、スピルリナ特有成分のフィコシアニンには中性脂肪軽減効果があり、落ちにくいお腹周りのぜい肉を減らす効果があると言われています。

 

活性酸素の除去効果

人間の体は60兆もの細胞からできていますが、細胞一つ一つにミトコンドリアと呼ばれるエネルギー生産工場があります。ミトコンドリアは酸素を使用してエネルギーを生み出していますが、その過程で「活性酸素」と呼ばれる活性の強い酸素を作ってしまいます。

 

この活性酸素が脂質を結びつくと過酸化脂質という有毒物質に変化してしまい、細胞膜や遺伝子を傷つけると言われています。生活習慣病などの原因の一つに「活性酸素」があげられるほど、健康においては「気がかり」な要素なのです。

 

スピルリナにはその活性酸素を抑制する効果・効能があることが指摘されており、生活習慣病予防につながるのではないかと推測されているのです。